つい最近、顧客先のある小規模マンションの地下駐車場(専有部分)を共用の駐車場として管理組合法人化への所有権の移転登記を行いました。
この地下駐車場は分譲主が所有していましたが、管理費等を長期間滞納し、なおかつ、自分たちの会社の廃材のようなガラクタを放置していて問題になっていました。
この地下駐車場を4年ほど前に別の方に所有権が移転され、抵当権などがすべて抹消されたマッサラな物件になっていることに気づきました。
さっそく、管理組合に相談し、所有権が移転しても次の所有者に管理費等の滞納分は引き継がれますので、区分所有法第7条の先取特権に基づく競売の申し立てを管理組合が実施し、自分たちの手で落札して地下を居住者のための駐車場、駐輪場として利用しようという計画をスタートさせました。
競売の申し立ては順調に進みましたが、管理組委あが法人化していなかったので入札をすることはできず(そもそも競売を申し立てていたので当人が落札するのも変な話ですし)、区分所有者の有志の方に名義を借りて入札を行うこととしました。
いろいろと紆余曲折はありましたが、見事落札に成功し、強制執行で中のガラクタも処分し、今は共用の駐車場、駐輪場として居住者のために使用できています。
その後、管理組合を法人化して、区分所有者の方に借りていた名義を管理組合法人の名義に変更する登記が、ようやく先日終わりました。
「委任の終了」という原因の登記で、よく、町内会などで法人化ができていない場合に町内会長名で町内会館の所有権の登記をして町内会が法人化されたら町内会の名義に変更するときなどに使う方法なのだそうです。
今回は物件がいったん、抵当権などがすべてないマッサラな状態を偶然見つけるという幸運に恵まれましたが、区分所有法第7条の先取特権に基づく競売の申し立て、引き渡し命令の強制執行でのガラクタの処分から、最終的に教養の駐車場にするための委任の終了の登記まで、問題解決に向けて大変でしたが、様々な経験や新たな発見もありました。
今後の業務にも生かしていきたいと思います。